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葛飾北斎 「詩歌写真鏡・春道のつらき」 (しいかしゃしんきょう・はるみちのつらき) 木版画 額縁外寸 38.0x73.0x3.0㎝ 内寸 35.0x70.0㎝ 絵 22.0x48.5cm [m-669]

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葛飾北斎
「詩歌写真鏡・春道のつらき」
(しいかしゃしんきょう・はるみちのつらき)
木版画
額縁外寸 38.0x73.0x3.0㎝
内寸 35.0x70.0㎝
絵 22.0x48.5cm
[m-669]
¥44000

春道のつらき
春道列樹は正六位下で文章生であったが、延期喜十四年(九一四)八月という「古今集」成立以前に活躍した歌人であったようである。
「古今集」に三首、「後撰集」(天暦五年九五一)にニ首があるほかは、他に家集もなく余り有名をはせたとは思えない。
そしてこのシリーズにとり上げられたのは北斎が「古今集」の中から選んだものとしか考えられない。
「古今集」巻五、秋下に「志賀の山ごえにてよめる」という歌に(百人一首)

山川に風のかけたるしがらみは
  流れもあへぬ紅葉なりけり
とあるのの絵画化であろう。
晩秋志賀(滋賀県滋賀郡)の山越えにあたっても写実的実感を歌としたものと考えられる。
ただ、北斎はこの志賀の地に足をふみいれたことはないはずであるから、その歌意からのみ作図したことは否めない。
ただ鈴鹿を越えてゆくためには山は高い、また渓流は清くはげしい。
そうした聞き覚えが北斎の頭脳に閃いて渓流の藍の色を深め、迫る山肌を荒々しくしている。
岩をかむ流れの飛沫を白く崖岩と遠山との色の対比、そこに聚落の群れと旅人たちの姿を小さく描き出している。
古典文学への回想として、主要人物の列樹と供のニ人が流れを横ぎる橋上で、展開する光景を眺めるという構図を作っているが、このシリーズ中、もっとも複雑な画面構成を試みたものと思われ、流れを大きく彎曲さて遠景につなげる技法はさすがである。
ただ王朝風俗と聚落との時代考証の隔たりには多少の難はあるが、想像として歌意のみを迫った結果、この点は許されてよいと考えられる。
とにかく日本文学の要素をかかる今様に解釈して、絵画化した北斎の偉業はまことに見事である。

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